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出勤直後に心を職場に慣らすには?

うつのまんま仕事をこなす技術

うつ病を抱えたまま働く人のための仕事術を、1日1個身につけられるワークブック。


Day1.出勤直後に心を職場に慣らすには?

~出勤直後に心を職場に慣らすには?~
 
朝、出社してタイムカードを押し、
自分の席につく。

パソコンを起動させようにも
頭が重くて息苦しい…。
 
どうにも起動ボタンが押せない。
 
このツラさは今日一日は続きそうだ…。

「うつ」を抱えてデスクワークする
うつワーカーのよくある朝の光景。

こんな状態で無理に作業を始めても
心に負担がかかるばかりですよね。

もちろん、デスクワーク以外の方も
同じだと思います。

そこで、仕事をこなす技術に入る前に、
まずは「心の蛇口」をゆるめましょう。

朝のウォーミングアップならぬ、
朝のクールダウンです。

うつワーカーにとって、
朝の職場は“熱い風呂”そのものです。

 
そのまま風呂につかってしまっては、
心も体も火傷をまぬがれません。

だから、「心の蛇口」をゆっくりひねって
熱い風呂を薄めるように、
じわじわと心を職場に慣らしていきましょう。

その蛇口をゆるめるオススメアイテムが

「何となく達成したリスト」
 
です。

過去に何となく達成できたことを、
思いつくまま3~4個書き出してながめてみるのです。

努力を重ねて達成した目標よりも、
流れに任せているうちに
自然と達成してしまったことの方が効果的です。

「やる気」を出させるのではなく、
あくまでも「まあ何とかなるな」
という気持ちに自分を導いてあげるのが目的です。

この「まあ何とかなるな」
という気持ちが、
熱い風呂を薄めてくれるわけです。

リストをながめていると、
過去に「こうだったらいいなぁ」と
ぼんやりと考えていたことが
時間が経って自然とかなっていたり
達成されていることに気がつくはずです。

例えば…

 ・小学校を卒業できた。
 ・今の職場に採用された。

 そう、こんな感じ書き出してみましょう。

 ・おじいちゃんが「プレステ」を買ってくれた
 ・基本給がアップした
 ・一人暮らしをした
 ・飛行機に乗った
 ・ハムスターを飼った
 ・父親に腕相撲で勝った
 ・肉じゃがの作り方を覚えた

何でもかまいません。

今の自分にとって
当たり前だと思えることも
こうやって並べてみると、
自分がいかに多くのことを
達成してきたかという事実に気づかせてくれます。

リストをながめているうちに、

「ああ、そんなにリキんで
 鼻息を荒くしなくても、
 結構自分って色々なことができるのだな」

「自分が何をしようが
 物事って結構勝手に進んでいくものなんだな」

という気持ちになってくれば、
熱い風呂が薄まり始めている証拠。

出社して流れ作業のごとく
「席についてパソコンを起動させる」
のは、服を脱いでいきなり
熱い風呂にドブンと飛び込むようなものです。

そんな荒行は、
ダチョウ倶楽部師匠に任せておきましょう。

私たちは、熱い風呂に飛び込む前に、
「何となく達成したリスト」
をながめて、しっかり蛇口をゆるめましょう。

そして、職場という熱い風呂を、薄めていきましょう。
 
●アクションプラン
・出社して席についたら「何となく達成したこと」を手帳に3~4個書き出してみる。
 ※昨日も三食たべられた、所得税を毎月おさめている、など当たり前と思えることをあえて書くのがポイント

・「何となく達成したこと」をボンヤリとながめてみる。力まずとも物事が進んでいく事実に思いを馳せる。

・余裕があれば、昼休みや寝る前に「今日、何となく達成したこと」を手帳に追加してみる。
 
<うつのまんま仕事をこなす技術>
 Day1.
『何となく達成したリストをながめる
 
  
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>