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板ばさみにならない仕事術

うつのまんま仕事をこなす技術

うつ病を抱えたまま働く人のための仕事術を、1日1個身につけられるワークブック。


Day38.板ばさみにならない仕事術

~板ばさみにならない仕事術~
 
「今は誰待ち?」なんて会話が
オフィスでは交わされます。
 
ようは、今仕事が止まっているのは誰の責任?と同義。

表題のボールというのはこの責任のこと。

例えば、お客様である田中さんに
あなたが見積もりを提出した。
 
なかなか返事がないので
田中さんに連絡してみると、
見積もりの決裁には田中さんの会社の
社長のハンコが必要とのこと。
 
しかも社長は今出張中だという。

さて、この状態では、
いったい誰がボールを持っているでしょう。
 
田中さんでしょうか?社長でしょうか?

社長が戻らないと
ハンコがもらえないのだから、
社長が帰ってくるまでは、
田中さんがボールを持ってると思ってしまいがち。

ところがどっこい、この時、
ボールはあなたの手元にあるのです。

田中さんは「社長がいないので無理」
と言った時点で、実はボールを
あなたに投げ返しているのです。
 
もし、ここであなたの上司が
「例の見積もり、決裁もらえた?」と聞いてきたらどうでしょうか。

「社長が帰ってくるまでもらえない」
と答えたとしたら、きっと上司から
 
「じゃあいつ帰ってくるんだ?」
「帰ってきてからどのくらいでハンコ押してくれるんだ?」
「帰ってきたら確実にハンコもらえるのか?」
 
と色々質問されてしまいますよね。

当然、あなた自身の
都合ではないので絶対に答えられない。
 
自分に動くべきことがある時点で、
自分の手元にボールがある訳です。

お客様の都合と上司の指示の
板ばさみになるというのは、とても心に負担のかかること。
 
できる限り避けなければなりません。

だから、あなたはここで田中さんに
ちゃんとボールを投げ返しましょう。
 
ただ、先ほどの上司の質問を
そのままぶつけるだけではダメです。

しっかりと田中さん
にボールを投げ返すためには、
「田中さんのやるべき仕事」を
明確にしてあげなくてはいけません。

結論としては、ネットでも電話でも
どんな手段でも構わないので
見積もり内容を社長に伝えていただき、
その返答をもらってもらうようお願いする。

ここまでやって、
初めてあなたの手元からボールが投げ返される訳です。

ここで上司から何か問われても
田中さん待ちだとハッキリ告げることができます。

社長からの返答が
「帰ってからニ、三日中に結論を出す」
ということであれば、上司も待つでしょうし、
その間は確実にお客様の方にボールがある。

あなたは板ばさみから解放され
、心を抑圧する懸案事項がまた一つ
あなたのもとから立ち去ってくれます
 
●アクションプラン
・現在抱えている仕事で、ボールが自分の手元にないか確認する

・自分の手元にあると判断した場合は、然るべき人にボールを渡すために「やるべき仕事」を用意してあげる
 
<うつのまんま仕事をこなす技術>
 Day35.
『ボールは自分で持たない
 
  
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>