「かわいそう」攻撃

うつ病夫の闘妻記

うつ病の“理解”を得るために、自分自身が疲れてしまっては本末転倒。巻き込まれる妻もかわいそう。『妻は理解者』 という過剰な期待を上手にあきらめる方法、教えます。


第一回戦:「かわいそう」攻撃

~妻がうつ病を理解してくれない~
 
「かわいそう・・・。」

しぼり出すように妻は言った。

誰が?

もちろん、うつ病の夫が・・・、
 
と期待していたところだが、
おっとどっこい、妻が、である。

なぜこんなことを、
妻が口にすることになったかと言うと・・・。

実は私には、
じっくりを音楽を聴く趣味がある。

一番の趣味と言ってもいい。

うつ病になっても、
唯一音楽を聴く意欲だけはあまり衰えなかった。

自分の部屋に入り、
ステレオの前に座って、
流れてくる音だけに、ただただ集中する。

カラカラに乾いた感受性に、
ジュワ~っと水が染み込むように
音が入り込んでくる。

つらい毎日の中、
どれほど音楽に癒されたことか。

救われたことか。

ただ、私が音楽鑑賞をしている間。

妻は、とても退屈らしい。

「はじめに」にも書いたが、
妻は、常に夫婦で一緒に
楽しいことをしていないと気が済まない性格なのだ。

だから、私が自分の部屋で
音楽鑑賞をしていると
数分ごとにノックをしてくる。

ドアを開けると、
特に用事は無いと言う。

つまらない、退屈だ、と告げられる。

これがずっと続くので、
1曲ですら、通してまともに聴くことができないのだ。

うつ病になる前は、
一人で外に出て携帯プレーヤーで
音楽鑑賞の時間もとれた。

しかし、今は、
仕事で疲れ果て、
寝込んでしまうことが多い日々だ。

苦しい闘病生活の中で、
唯一とも思える趣味の時間を
奪われてしまうのは本当にツラかった。

この癒しの時間を
今後も得られないと考えると
追いつめられた気分になった。

だから、妻に頼んでみた。

「1週間に1回か2回、
 アルバム1枚分、
 1時間だけでいいから、
 音楽を聴く間だけはそっとしておいて欲しい」

妻は、

「もちろん!・・・、」

と快活に返事をした後、

「ダメ!」

と、余分な語尾をくっつけた。

何が「もちろん!」なのか解らんが、
理由を聞いたら、
しぼり出すように冒頭の言葉が返ってきた。

「私が、かわいそうだから・・・。」

と。

おー、マジかー。

それ斬新な発想だなぁ。

しかし、感心ばかりしていられない。

私のツラさや、
追いつめられた感覚は、
まったく妻には通じなかったようだ。

私は、頭をひねった。

どうしたら理解してもらえるだろうか、と。

ひとまず
ヘッドフォンをして聴くことにした。

これならノックも聴こえない。

もしドアを開けたとしても、
ヘッドフォン姿の私を見れば。

妻もいかに私が
うつ病生活の中でこの時間を
必要としているか理解してくれるに違いない。

早速実行。

失敗!

甘かった。

妻は、勝手に部屋に入って来て
ヘッドフォン姿の私の
後ろから肩を叩くようになった。

その度に私は

「おぉっう!」

とビックリすることになり、
余計集中できなくなった。

怒って抗議したがダメ。
なだめてもダメ。
理由をどれだけ説明しても効果なし。

どうしても真面目に受け取ってもらえない。

理解してもらえない。

音楽を聴いていても、
いつ後ろから肩を叩かれるかと
ビクビクするようになり、
だんだん私はノイローゼになっていった。

貴重な心の救いであった
音楽がまったく楽しめなくなっていった。

うつ病の症状も悪化した。

どうしたら妻に理解してもらえるのか?

その時ふと、ある考えが浮かんだ。
 
 
<真壁純貴 著>


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