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夜、急に不安になった時には?

うつをやり過ごす50の方法

うつ病歴10年以上の人が書いた、ツラいうつをやり過ごすリアルな知恵


42.夜、急に不安になった時には?

~夜、急に不安になった時には?~
 
うつ発作にみまわれている夜は、
とても神経が過敏になってしまいますよね。

昼間は何でもないと思っていたことが、
急に思い出されて不安になってしまうこともあります。

今日会社であったこと、
同僚と話した内容、
上司から受けたアドバイス。

ひとつひとつが、
まったくうまく出来ていなかったように
感じられてきて、冷や汗が出てくるのです。

気がつくと言い訳を始めてしまうのです。

「本当はこうやろうと思っていたんだ」

「本当はこういう理由があってやったんだ」

「子供の頃にこんな経験をしたから」

しかも一人の夜。

時間はたっぷりありますから、
次から次へと思い出しては、
延々と言い訳をし続けてしまう。

言い訳をする相手が、
目の前にいる訳でもないのに・・・。

私は、これを

『シャドー言い訳』

と呼んで、気をつけるようにしています。

なぜなら、
いつまでもネガティブな感情に
焦点があたったままになってしまい、
うつ発作が悪化する悪循環に入ってしまうからです。

あなたにも、
同じような傾向がありますか?

『シャドー言い訳』のシャドーとは、
<影を相手に>という意味です。

『シャドーボクシング』という練習がありますよね。

相手がいなくても、
実際に試合をしているかのように
相手を想定して攻撃や防御を繰り返し
体を動かすボクシングのトレーニングです。

試合をしたり体を鍛えたり、
運動不足を解消するという
明確な目的があるなら
トレーニングをする意味があります。
 
しかし『シャドー言い訳』には、
何の目的もありません。

『シャドー言い訳』をしても、
相手はあなたの話を絶対に聴いてはくれません。

そこに相手はいないのですから。

いくら言い訳をしても、
あなたの評価があがるわけでも、
相手が納得してくれるわけでもありません。

何一つ問題は解決しません。

しかも、言い訳をすればするほど、
ネガティブな感情に焦点があたります。

つまり・・・、

『シャドー言い訳』は、
百害あって一利もない、
まったくやる意味のない行動です。

やる意味 “ゼロ” です。

でも一人の夜には、
気がつくと自然に
『シャドー言い訳』をしてしまっている・・・。

それがうつ発作の困ったところですよね・・・。

あなたがそんな悩みをお持ちなら。

自分の部屋の目のつくところに、

「シャドー言い訳禁止。やる意味 “ゼロ”。」

と書いた付箋を貼っておきましょう。

簡単な方法ですが、
驚くほど効果があります。

私は、ベッドの横に一枚、
いつも作業する机に一枚、
PCのモニターに一枚。

つまりいつも一人で
考え事を始める場所に、
貼るようにしています。

そして付箋を目にして、
『シャドー言い訳』を
自然と始めている自分に気づいたら

「きき空気」

「漢字の読み替え」
や、
「気持ちいい言葉を書いて読む」
を実践して、意識の焦点をズラすようにしています。

これを繰り返していくと、
付箋を見なくても『シャドー言い訳』を
始めている自分に気づけるようになります。

さらに繰り返せば、
『シャドー言い訳』自体をしないようになれます。

あなたが一人の夜、急に不安になった時、
頭の中で言い訳が“ループ”してしまうなら。

ぜひ今回ご紹介した方法を
試してみてくださいね。
 
<うつをやり過ごす50の方法>
 その42
『シャドー言い訳をしない
 


◆実践のコツ
付箋に書いて貼ったままにしておくと、慣れしまって目に入りにくくなります。
時おり色を変えたり、場所を変えたりして、目に入りやすくしておきましょう。

◆使えるシチュエーション
夜、急に不安になった時 /職場でのコミュニケーションがうまくいかなかった夜 / など

◆適用しやすいうつパターン
恐怖/ 憂鬱 / 怒り /
 
 
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>