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仕事中に焦ってしまった時には?

うつをやり過ごす50の方法

うつ病歴10年以上の人が書いた、ツラいうつをやり過ごすリアルな知恵


11.仕事中に焦ってしまった時には?

~仕事中に焦ってしまった時には?~
 
仕事中、ふいにおそわれる「うつ発作」。

ツラいですよね。

デスクにひじをついて、
頭を抱え込み、
動くこともままならず
気持ちは焦るばかり。

「深呼吸して気持ちを一旦リセットしましょう」

なんてとても無理な話。

こんな時は、じっとしていても
焦りのスパイラルに陥るだけです。

体をわずかでもいいから動かして、
意識を少しズラしましょう。

その両方を
同時にこなせる便利な方法が、

「3分間だけいつもの5倍ゆっくり動く」
 
 という手法です。

まずは、デスクの上にある物、
例えばボールペンを取ってみましょう。

それすらもツラい状態であれば、
手の平を広げる程度のことでもかまいません。

できるだけいつも通りのスピードで
おこなってみてください。

さあ次は、その同じ動作を
先ほどの2分の1のスピードで行ってみてください。

たった半分のスピードに
落しただけでも、
だいぶもどかしく感じるのではないでしょうか。

ここからさらに
動作のスピードを落して、
最初のスピードの「5倍」の遅さで動いてみてください。

スピードを落すのに
「5倍」という表現は
少しおかしいのかもしれませんが、
イメージは伝わりますよね?

いかがでしょうか。

やってみるとお解かり
いただけると思いますが、
「5倍」って、か・な・り遅いですよね。

ここでじれったくなって、
エエイといつものスピードに
戻してしまいそうになりますが、
何とか「3分」のあいだ「5倍」をキープしてください。
 
私たちが仕事しながら焦ってしまうのは、
「うつ発作」が出ているにもかかわらず、
いつものスピードで仕事をこなそうとするから。

私たちは、落ち着いて仕事をこなそうと
自分ではセーブしているつもりでも、
そのスピードはいつもの
7~8割りくらいにしか
落ちていないことが多いのではないでしょうか。

「うつ発作」におそわれた時は、
もっともっとスピードを落すことから始めましょう。

そしてその動作のスピードを
維持することに意識の照準を合わせましょう。

針の穴に糸を通すように
「5倍の遅さってこれくらいかな…」と
速度に意識を向けて、
慎重に慎重に体を動かしていくのです。

もちろん、そんなスピードじゃ仕事になりませんよね。
だからあくまでも「3分」です。

3分間、5倍ゆっくり動くことを繰り返しているうちに。
 
体も無理なくだんだんと動くようになり、
意識も「うつ発作」からズレてくるでしょう。

無事に「うつ発作」をやり過ごせた…、
と感じたら、徐々に動作のスピードをあげていきましょう。

そして、仕事を再開してみてくださいね。

決して無理せず、あなたが心地よいと思えるスピードで。
 
<うつをやり過ごす50の方法>
 その11
『三分間だけ5倍ゆっくり動く』
 


◆実践のコツ
「こんなに遅くていいのかな」というくらいまで動作のスピードを落しましょう。
そして、「5倍」という速度に意識を集中してみましょう。

◆使えるシチュエーション
始業時 / 作業に取りかかる前 / 仕事がたまってきた時 など

◆適用しやすいうつパターン
疲労/恐怖 /憂鬱 / 怒り/悲しみ
 
 
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>