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家族にツラくあたってしまう時には?

うつをやり過ごす50の方法

うつ病歴10年以上の人が書いた、ツラいうつをやり過ごすリアルな知恵


38.家族にツラくあたってしまう時には?

~家族にツラくあたってしまう時には?~
 
「うつ発作」におそわれている時、
家族につらくあたってしまうことがあります。

せっかく心配してくれているのに
何でこんな態度をとってしまうのか。

ひどい自己嫌悪に陥ってしまうもの。

家族に話しかけられるのはツラい。
だけど申し訳ないとも思う。

家族を責めることが平気でできれば…。

いや逆に、
どんなにツラい時でも家族に優しく接することができれば…。

そのどちらも満足にできず、
心が二つに引き裂かれんばかりに苦しくなります。

でも、ここにとても大切なヒントが隠されています。

それは、
家族に話しかけられたくないと思うのも、
申し訳ないと思うのも、
どちらも大切なあなたの感情だということです。

まったく正反対の感情。

まったく正反対ゆえに、
一緒に存在してはならないような気がしてしまいます。

しかし、どちらの感情も、
実際にあなたの中に存在しているのです。

そのどちらかを
抑えこもうとしてしまっては、
余計にツラくなってしまいますよね。

だからと言って中間を取るなんて器用なことはできません。

そんな時は、
「正反対の感情」を混ぜて飲み、
大切な自分の一部として取り込んであげましょう。
 
コップ二つと好きな飲み物を用意してください。

コップAに

「家族がわずらわしくて腹が立つ、絶対に話しかけないで欲しい」

と言いながら飲み物を少し注ぎ込んでください。

次に、コップBに、

「迷惑をかけて申し訳ない、つらくあたって申し訳ない」

と言いながら飲み物を少し注ぎ込んでください。

最後に、コップAの飲み物を、
コップBに全て注ぎ込んで、一つにしてしまってください。

そして、それを飲み干してみましょう。

自分の頭の中にある正反対の感情を、
頭の中だけで整理し
折り合いをつけることは
とても難しいことですよね。

そこで、自分の中の二つの感情を、
コップに注ぐという形で、一旦、外に出してしまいましょう。

そして、両方の感情のどちらも
自分にとって
大切な本心なのだと感じながら、
もう一度自分の中へ帰してあげるのです。

人間ですから、
ツラい「うつ発作」のさなか
家族にあたってしまうこともあるでしょう。

家族の方たちも切ないですよね。
でもそんな時こそ、
正反対の感情を混ぜて飲み、
自分を落ち着かせてみてくださいね。

怒鳴りたくなる気持ち、
後悔する気持ち、
どちらも大切なあなたの感情。

コップに入れて、大切にしながら、
あなたの中に戻してあげましょう。

そのことを、
家族の方たちも望んでいるかもしれません。
 
<うつをやり過ごす50の方法>
 その38
『正反対の感情を混ぜて飲む
 


◆実践のコツ
飲み物を注ぐのはほんの少しでかまいません。
混ぜて自分の体に戻してあげるのが目的です。
たくさんの感情をいっぺんに混ぜようとすると大量になってしまいます。
お腹を壊さないようにご注意を。

◆使えるシチュエーション
大切な人につらくあたってしまった時  / 作業に集中している時 / 人と会った後  など

◆適用しやすいうつパターン
/ 怒り / 恐怖 / 悲しみ /
 
 
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>