朝、会社に行きたくない時には?
うつをやり過ごす50の方法
うつ病歴10年以上の人が書いた、ツラいうつをやり過ごすリアルな知恵
8.朝、会社に行きたくない時には?
~朝、会社に行きたくない時には?~
朝、何とか
仕事にいく準備が整ったものの、
玄関を出ていく勇気がない。
また今日も、うつ発作に耐える
つらい一日が始まる。
「会社に行きたくない・・・」
あなたにも、
こんなご経験がありますでしょうか?
一生こんなつらい朝を
過ごさなければならないのか、
そう考えると、
恐怖心がわいてきますよね。
この苦しみが、もし一生続いたら・・・、
という恐怖。
「そんな訳ない、必ず良くなる。」
ポジティブなセリフも
まるで現実感がなく、からまわり。
自分を追いつめるだけになってしまいますよね。
でも考えてみてください。
縁起でもないことですが、
明日、あなたが確実に生きているとは限りません。
もしかしたら、
今日でこの苦しみから解放されるかもしれないのです。
今日までずっと生きてこられたから、
明日も生きているような気がするし、
10年後も生きているような気がします。
でも、私たちの生存確率は
いつだって50%なんです。
天気予報の降水確率がありますよね。
「雨の降る確率は80%です」
というよく見かける情報です。
あれも戦後のお天気の
データから割り出した、
「前に雨だったから明日も雨でしょう」
という過去に基づいた確率に過ぎないのです。
そう考えると、実際の降水確率は、
常に50%なのではないでしょうか。
降るか降らないかの半々。
だから、
明日私たちが生きている確率も、
50%しかない。
半々。
私たちが
うつ発作に苦しみながら過ごす朝も、
今日で最後になるかもしれないのです。
そう考えると、
心が少し楽になりませんか?
これを読んで、
「不謹慎な!」
と腹をたてる方もおられるかもしれません。
でもきっと、
うつ発作に苦しむあなたなら、
私の言いたいことが伝わると思います。
ポジティブに
「きっと良くなる」と考えることも
とても大切だと思います。
でも、実際にうつ発作で
苦しんでいる最中に
ポジティブな考えを持つことは
現実的にはほぼ不可能ではないでしょうか。
だから発想を逆転して、
できるだけネガティブに考えてみましょう。
明日の生存確率は、
いつだって50%しかない。
だからこの苦しみが
明日続く可能性も50%しかない。
今日で最後かもしれない。
そう考えれば、
ほんの少しだけでも、
「今日一日、何とか乗り越えてみよう」
という、会社に行く勇気がわいてくるのです。
<うつをやり過ごす50の方法>
その8
『生存確率は50%』
◆実践のコツ
無理にポジティブに自分を奮い立たせようとする自分に気づいたら、
「明日、生きている可能性は50%」ととなえて自分を落ち着かせましょう。
極度に疲れていたり、虚しい時にとなえると、
余計疲れたり虚しくなるかもしれないので、ご注意を。
◆使えるシチュエーション
朝、ベッドの上で / 出社直前 / 通勤電車の中で
◆適用しやすいうつパターン
恐怖 / 怒り / 悲しみ /
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>