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虐待されても気が付かない?!

自由への挑戦 ‐ とことん正直に生きてみた

<著者:ちー>


2.虐待されても気が付かない?!

 

┃支配される恐怖

 
ギランバレー症候群になった時の症状と心理状態はとても良く似ていた
 
わたしは自分の精神状態が病気を引き寄せたように思った
 
自分を責めるのはもうやめよう
 
退院したあとは自責しないことで自分を防衛しながら毎日をやり過ごした
 
 
 
 
病気から7年たち、娘は大学生になり息子は中学3年生になった
 
息子は私に対する夫の言動に助け舟を出すようになった
 
けんか腰ではなく
 
「そんな言い方しなくても」
 
程度のソフトな助け舟だった
 
うれしかった
 
私の気持ちを分かってくれる人がいることがこんなに嬉しいとは
 
息子が白馬の王子に見えた
 
親バカもここまで来たら重症だ
 
 
息子の発言に対して夫は、息子の部活の道具を買うお金は出さないといった
 
そういうこと口にして実行する人だった
 
子供はお金が稼げないんだ
 
そんなことを言われたら口を閉ざすか、部活をやめるしかない
 
どちらを選んでも息子の感情は傷つく
 
息子が過去の自分に見えた
 
この家では自由な感情を持つことも自由に発言することも許されないのだろうか
 
私が我慢すれば家庭を維持できると思っていたがそうもいかなくなった
 
 
 
 
昔は夫と口げんかをするようなことも何度かあった
 
私はお互いの妥協点を探すために話し合いをしたいといった
 
すると夫は話し合いは勝つか負けるかだ、妥協点なんかないといった
 
その日を機に私は夫と話し合うことをあきらめていた
 
 
本気で対策を練ろう
 
その日からネットで検索を始めた
 
 

┃モラルハラスメント

 
質問に答えていき○個以上当てはまると○○です的なものを試してみると、ほとんどが当てはまっていた
 
どうやら我が家で行われていることはモラルハラスメントらしかった
 
家庭内における精神的な虐待
 
密室で行われる完全犯罪
 
調べても調べても、すぐにうまく解決できるような情報はなかった
 
自己愛性人格障害 精神の殺人 こどもへの連鎖 共依存 イネイブラー AC 自己肯定 自己受容 自我の確立 
 
検索する単語をふやしても八方ふさがりだった
 
 
夫はまじめに仕事をして生活費を入れてくれている
 
感謝の気持ちもあって、私の中で虐待という言葉がしっくりきていないところもあった
 
 
弁護士も立証するのは困難
 
録音して証拠を残すことが重要
 
反対に慰謝料を請求してくる可能性あり
 
離婚するのがもっとも難しい相手
 
別れ方によってストーカーになる恐れあり
 
 
もうさ、ここまでくるとホラーだよね
 
 
 
 
実家に向かう車の中でハンドルを握りながら息子に言った
 
「この家には人権がない気がする 私は幸せになりたい だから戦うよ」
 
宣言はしたがモラルハラスメントについては触れなかった
 
あいまいな解釈で子供を振り回したくなかった
 
 
 
 
ネットで対策を探し続けるうちに私は眠れなくなっていた
 
モラルハラスメントが連鎖する可能性を考えると不器用なところのある優しい娘が私と同じ道をたどってしまう可能性があった
 
また、息子が夫の道を追っていくことも考えられた
 
気づけばもう7日寝ていなかった
 
当然パートの仕事にも集中できなくなっていた
 
仕事を休もむために病院で病名をもらおう
 
そう考えて心療内科に行った
 
 

┃自律神経失調症と不眠

 
眠れなくなった原因に何か心当たりがあるかと聞かれ、これまでの経緯を大雑把に説明した
 
自律神経失調症 
 
脳の過活動 
 
PTSD
 
入眠障害
 
診断はそんな単語が並べられた
 
どのくらい休みたいか希望を聞かれて半月とこたえたが、1か月休むことを勧められた
 
薬をあまりたくさんは飲みたくないと伝えた
 
しかし飲まなければならない時はしっかり飲んだほうがいいと云われ、しぶしぶ受け入れることにした
 
 
医者に褒められたことが一つあった
 
それは月曜に心療内科に行く少し前に内科で軽い睡眠薬をもらっていたことだった
 
金曜日に心療内科にいったのだが受付時間に間にあわず、土曜日は初診の患者は診てもらえなかった
 
だから土曜の午前に内科を受診して軽い睡眠薬をもらっていた
 
土日の二日間に少しでも睡眠をとれたことは回復に大きな差がでると話していた
 
 
 
 
職場の理解を得て1か月間仕事を休むことにした
 
薬の副作用もあるのか体調はすぐれず薬の量も調節がむずかしい
 
眠れるようにはなったが外に出られるような状況ではなかった
 
めまいや吐き気がして食欲不振がつづき体重は4キロ減っていた
 
 
子供たちは夏休みだったこともあって家事に協力してくれた
 
そして少しずつ物理的にも心理的にも夫から距離をとることを心がけた
 
夫が何を考えているのか、彼の育成歴はどんなものだったのかを考えても真実にはたどりつけない
 
どれだけ真剣に夫の身になって想像してもコンピューターのように脳が同期できるわけではない
 
夫のことをすべて理解することなど不可能だと気が付いた
 
 
 
 
親子でモラルハラスメントの連鎖があるというのなら、ヒントは私と親の関係にもあるのかもしれない
 
あまり気は進まないが、自分の過去を検証してみることにした
 
 
<著者:ちー>