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父は、毒親or普通の親?

自由への挑戦 ‐ とことん正直に生きてみた

<著者:ちー>


3.父は、毒親or普通の親?

 

┃幼少期・学童期

 
幼稚園では自画像のバックを濃い紫に塗り、先生を心配させた
 
父が腎臓病になり、母は働きながら資格を取って就職した
 
私は4歳から一人で留守番をしていた
 
外で遊ぶことは禁止されていたし、テレビは子供向けのものは少ない
 
ずっと母の帰りだけを待っていた気がする
 
父は手術を定期的にしなければならず、お金に余裕もない家庭だった
 
それなのに父は全くしおらしいところはなく、いつも偉そうに不機嫌で母を振り回していた
 
そして私が父のことを悪く言うと、母は病人だからしょうがないという
 
怒らせると体に悪いから、が口癖だった
 
父が仕事から帰ると、私はすぐに2階に逃げた
 
 

┃中学・高校

 
中学高校はほとんど記憶がない
 
自分が空っぽで、何にもないことが恐ろしかった
 
感情を殺してしまったのか、苦しいことと一緒に楽しい気持ちもなくなっていた
 
自分がアダルトチルドレンだという自覚はあった
 
しかし問題のない家庭などないし、程度の差があるだけと思っていた
 
 
私は育った家庭が苦しいのは、父が病人だからだと思っていた
 
しかし、病人だから家庭がうまくいかなかったのだろうか
 
病人がいても仲の良い家庭があっても不思議ではない
 
私の家庭の辛さの原因は父の人格にあったのではないだろうか
 
父が母に対する態度に思いやりを全く感じなかった
 
また、私は父の言動に不信感を持つことが多かった
 
父は病人の仮面をかぶった毒親だったのではないだろうか
 
仮に家庭に精神的な虐待があったとしたなら、それに気が付けない土壌が私にあるように思った
 
 

┃姉の意見

 
私には姉がいた
 
父をどう思っているのか聞いてみた
 
姉は父を普通の親だと思っていた
 
学生の時に友達に父のことを相談したこともあったが、みんな同じだといわれて納得していたようだった
 
しかし、私は納得がいかなかった
 
他人の家庭のことは誰にも分からない
 
家族を構成している人の個性や家庭の背景はそれぞれ違う
 
自分の家庭と他人の家庭を比較することはできないと思った
 
 
しかし、父の毒親疑惑について、姉と話を突き詰める気にはなれなかった
 
父はもう亡くなっている
 
誰だって自分の父は普通の親だと思いたい
 
毒親だったと思いたい人なんていないはずだ
 
事実はどうであれ、姉にとって父が普通の親として映っていて問題がないのなら、そのままでいいと思った
 
 
夫のモラルハラスメント疑惑について意見を聞いた
 
判断はつかないが、病気になるほど苦しいのであれば、離婚してもいいと思うといった
 
医者からPTSDの診断をもらっていたので、私の話に説得力がでたのだと思う
 
以前にも夫のことは話していたが、よくあることと一蹴されていた
 
息子のたすけ船については、自分が損することはいずれ言わなくなるから、ほっておけばいいという考えだった
 
 
少し気になったのは、姉の気質が夫よりだと言ったことだった
 
姉は自分の家庭で八つ当たりすることが多いらしい
 
また母と姉が共依存なのではないか、と思っているらしかった
 
姉には姉が向き合うべき問題があるのだろう
 
そこに私が無神経に立ち入ってはいけないと思った
 
 
 
 
姉と話すことで腑に落ちた言葉があった
 
事実というものは存在しない、存在するのは解釈だけである
 
誰の言葉だったかな
 
ニーチェだ
 
 
人はその時に自分に都合の良い解釈をするだけだと思った
 
事実がないのなら、自分の感情に正直に解釈するしかない
 
自分の苦痛をごまかさずに受け入れよう
 
誰が何と言おうがそれが私の真実だ
 
<著者:ちー>