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正しさを基準にしない生き方 ‐ 悪魔の声をきく

育児と抑うつと暴言夫

<著者:ヤマノ イノ>


3.正しさを基準にしない生き方 ‐ 悪魔の声をきく

 

┃心軽やかに生きる方法

 
「どうせなら楽しく生きていきたい」
 
楽しいとはいえなくても、せめて苦しみから少しでも解放された人生を送りたい…。
 
きっと、誰もがそう願っているのではないでしょうか。
 
苦しみから解放された人生、つまり、心軽やかに生きるうえで欠かせないコツがあります。
 
それは、悪人となり正しさを疑うことです。
 
そうすることで、正しさに縛られずに済むようになるからです。
 
このことに気づかせてくれたのは、離婚しないモラハラ対策カウンセラーのJoe氏(ブログ:離婚しない『モラハラ』『自己愛性人格障害』対処の超裏技‼)の「悪人になれ」と、さとうみつろう氏の著書『悪魔とのおしゃべり(サンマーク出版)』に記述のあった「正しさを疑え」という二つの考え方でした。
 
一見すると突拍子もない彼らの意見に耳を傾けたことで、私は自信喪失の落し穴どころか、抱えていた生きづらさからも解放されることができました。
 
今回と次回のコラムで、この二つの考えから導き出された結論、つまり心軽やかに生きる方法をご紹介できればと思っております。
 
そこでまずは、「どうすれば、正しさを疑えるようになるのか?」ということと、「なぜ、悪人になる必要があるのか?」についてお伝えできればと思っております。
 
 

┃正しさの疑うための準備

 
正しさを疑うためには先ず、「正しさとは何か?」という正しさの正体と、それがもたらす弊害について知る必要があります。
 
なぜならば、問題が何かを知らなければ、解決することができないからです。
 
そもそも正しさとは、人間社会にある無数のルールです。
 
これは人間社会の群れを維持するうえで、ある程度は必要となります。
 
ルールの無い群れは維持することは出来ず、いずれは崩壊するからです。
 
このルールは実に多く存在し、国家という群れを統率するための大規模なものから、学校や家庭といった群れを運営するための小規模なものまで様々です。
 
私達がよくいう正しさとは、人間社会を維持するうえで必要な大小様々なルールのことだったのです。
 
 

丨正しさがもたらす、弊害を知る

 
正しさは時に、私達を欲求不満に陥れます。
 
膨大な数の正しさというルールを遵守しようとするあまり、選択肢が大幅に制限されるためです。
 
冷静に考えれば、星の数ほどあるルールを全て守ることなんて出来る筈ないのです。
 
それなのに、私達は善人でありたいと願うために、正しさというルールを全て遵守しよう、という無謀な挑戦をします。
 
悲しいことに大抵の挑戦は、失敗に終わります。
 
失敗することで、”ルールを守れなかったダメな自分”が出来上がり、罪悪感に苛まれます。(*自己肯定感の高い人等、一部の人は除く)
 
すると次回からは失敗による罪悪感を恐れて、次第に自由な選択をすることができなくなります。
 
自由に選択肢を選べないことは、自分が本当にやりたいことも出来なくなるためストレスが溜まる一方です。
 
このように正しさは時として、私達を見えない鎖で縛りつけて自由を奪います。
 
そして残酷なことに、善人であればあるほど、正しさの鎖に自由を絡め取られてしまいます。
 
 

丨悪人のススメ

 
善人ほど正しさというルールを遵守する傾向が強いため、正しさを疑うことができません。
 
敬虔な信者ほど教えに背くことが難しくなるように、善人もまた正しい教えに背けないのです。
 
従って、善人であろうとする限り正しさに縛りつけられ、苦しみに満ちた人生を送ることになります。
 
だからこそ、悪人になる必要があるのです。
 
誤解しないでいただきたいのですが、悪人になれといっても「人のものを盗れ」とか「人を殺せ」など社会規範を犯すことを推奨するものではありません。 
 
群れのルールを著しく侵害すれば、群れから追放される恐れがあります。
 
悪人といえども所詮はヒトですので、人間社会との関わりを一切絶たれては生きていけません。
 
悪人になる最大の目的は、正しさを疑い正しさに縛られなくなる状態を目指すことにあります。
 
正しさを疑うための第一歩として、まずは「正しさという宗教」の信者をやめて、悪人になってみてください。
 
といっても、一体どうすれば悪人になれるのでしょうか?
 
道路にゴミをポイッと捨てればいいのでしょうか?
 
インスピレーションにまかせて、ご近所さん宅の壁をアーティスティックに塗り替えればいいのでしょうか?
 
当然、どちらも違います。
 
悪人になる方法は次回、ご説明させていただきたく思います。
 
第四話『モラハラ夫に負けない - 悪人になる方法』へ続きます。
 
<著者:ヤマノ イノ