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ママ友が怖い、と思うのはなぜ? - 恐怖の正体を知る

育児と抑うつと暴言夫

<著者:ヤマノ イノ>


7.ママ友が怖い、と思うのはなぜ? - 恐怖の正体を知る

 

┃ママ友に対するネガティブイメージ

 
雑誌やテレビ、インターネットといったメディアが吹聴してまわったためなのか、
 
「なんとなく、ママ友って怖いなあ」
 
という漠然としたイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。
 
また、なかには恐怖が強すぎて抑うつ状態になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
 
誰もが出来れば楽しくママ友と交流したいものですが、ママ友に対するネガティブイメージが拭えず一歩が踏み出せない…。
 
そんな方のために今回は、ママ友が怖いと思う理由を考え、どうすればその恐さが和らぐかについて書いてみたいと思います。
 
心軽やかにママ友との交流を楽しむためにも、恐怖の正体について考えることは大切です。
 
怖いのは正体がわからないからであって、それがわかれば対策も立てられるため、怖さも和らぐと思います。
 
これは私が、モラハラをする暴言夫に虐げられた経験のなかから、身につけた考え方です。
 
 

┃なんとなくママ友が怖い、と思う理由

 
なんとなくママ友が怖いと思うのは、どうしてなのでしょうか。
 
それはママ友との間に万が一、「トラブルが起こったらどうしよう」と想像してしまうためではないかと考えています。
 
「もし〇〇ちゃんママの機嫌を損ねたら、私も子供も仲間はずれにされてしまうかも…」等トラブルを妄想して、更にその被害をも妄想してしまうため、ママ友が怖いのではないでしょうか。
 
要するに、実際に起こりそうなリアルな妄想に、怯えているということです。
 
何故こんなことが起こるのでしょうか。
 
それは、自分が所属する『ママ友の輪』という『共同体』からつま弾きにされることで、安定した生活を送れなくなるのではないか?という不安が根底にあるからだと思います。
 
しかし、『ママ友の輪』という『共同体』に所属していないからといって死ぬことはありませんし、自身の生活を営むことも可能です。
 
また、トラブルが実際に起こったとしても、お互い成熟した大人同士であるため、話し合いをして歩み寄ることも可能なはずです。
 
そうであるのにも関わらず、『共同体』からの逸脱を恐れるのは、日本人の多くが弥生時代から、農耕社会に生きてきたことも一因があるのではないかと考えています。
 
歴史の教科書や、昔話などで聞いたこともあるためご存知かと思いますが、農耕社会は、村落を中心とした『共同体』で成り立っていました。
 
農作物の収穫や災害への備え、また結婚や病人の世話など、生活のありとあらゆることが村人たちの強固な繋がりによって成立していたのです。
 
その生活を支える『共同体』からつま弾きにされること、つまり村八分にされることは死を意味しました。
 
今日に至るまで多くの日本人は、自身が生き延びるために、人との繋がりがとても重要であった社会を生き抜いてきたのです。
 
こういった歴史的背景も手伝って、繋がりを絶たれることが私達に死を連想させることから、漠然とママ友が怖いと思うのではないかと考えています。(*勿論、怖いと感じる理由はこれだけに限らず、複数因あると思います。)
 
 

┃ゆる〜く『共同体』に所属する

 
「怖がる理由はわかった。でも、一体どうすればママ友が怖くなくなるの?」ということですが、前述した原因に対して出来ることは、ママ友以外にも複数の『共同体』に所属して、ひとつの『共同体』だけに依存し過ぎないことです。
 
この考え方は、鴻上尚史氏の著書「空気」と「世間」(講談社)にもあり、私も同じ考えです。
 
ひとつの『共同体』だけに依存し過ぎていると、そこが駄目になった時に逃げ場を失ってしまいます。
 
退路が絶たれたと感じると、「勝つか負けるか」「生きるか死ぬか」の等の二分法的な思考に陥りやすくなるため、最悪の事態を招きかねません。
 
これは私自身が、モラハラをする暴言夫に追い詰められて抑うつ状態になり、自殺未遂をした経験から言えることです。
 
ですので、趣味でも何でも構わないので、ママ友以外の複数の『共同体』にゆるく所属することをお勧め致します。
 
また、諸事情により不愉快なママ友の『共同体』を抜け出すことが出来ない場合は、上っ面だけは善人を装い、心の中では常にママ友を馬鹿にしながら仲間を装っておくといいと思います。
 
余程のことが無い限りは、ドラマのように啖呵を切って闘うことは避けた方が無難です。
 
ママ友とは、ほとんどが子供を媒介とした付き合いであるため長くて数年の交流です。
 
その数年のためだけに、闘うリスクを背負う価値があるとは思えません。
 
以上のことから、ママ友に対する恐怖を和らげるためには、複数の『共同体』にゆるやかに所属し、依存度を下げることが大切です。
 
また、不愉快なのに抜け出せない『共同体』においては、表面上は適当に仲間を装い価値の無いリスクは背負わないようにしたいものです。
 
次回、第8話「人と話すのが苦手でも大丈夫〜本を通した人との対話〜」
 
<著者:ヤマノ イノ