病名を教えてくれない

うつ病の病院選び、医者選び

よい病院にかかりたい、名医にかかりたい、失敗したくない。そんな方のために、うつ病経験者が具体的に解りやすく、うつ病の病院選び、医者選びのポイントを解説。


7.病名を教えてくれない

~病名を教えてくれない~
 
うつ病患者さんのための、
病院選び、医者選びのポイント
 
今日は、
あなたにとっての名医
見つけるために、
 
初診で質問しないほうがいいこと
その2つ目です。
 
はじめて、
精神科や心療内科にかかるとき、
 
当然のことながら、
自分で「うつ病かも…」と
見立てをしていますよね。
 
そして、実際に診察を受けてみる。
 
しかし、
お医者さんの方からは、
 
「それはうつ病ですね」
 
とハッキリ言われなかった。
 
つまり、
病名を教えてくれなかった。
 
そして、
お薬だけ処方された。
 
そんなことが、
よくあります。
 
親切なお医者さんなら、
そこで、
 
「まだハッキリわからないので、
 とりあえずお薬を飲んで様子をみましょう。」
 
と説明をしてくれます。
 
でも、
 
「そういう症状に効く、
 お薬を出しておきます」
 
といった程度の説明で、
病名には触れずに、
初診を終了するお医者さんも多いのです。
 
患者さんは、
これだと確かに不安になるので、
 
「いったい何の病気なのでしょうか?」
 
「うつ病でしょうか?」
 
と質問をします。
 
もちろん教えてくれる
お医者さんもいますが、
 
言葉をにごす、
お医者さんもいます。
 
では、
教えてくれるお医者さんが
いいお医者さんで、
 
言葉をにごすお医者さんが、
よくないお医者さんかというと、
 
そうとも限りません。
 
教えてくれたとしても、
聴かれてから教えるというのは、
 
いい加減な対応を
しているからかもしれません。
 
逆に、
言葉をにごすからといって、
いい加減な対応をしているとは限らず、
 
慎重に誠実に判断しようと
してくれているからこそなのかもしれません。
 
つまり。
 
この質問をしてしまうと、
患者さんはお医者さんに対して、
 
“モヤモヤ”
 
してしまうのです。
 
そもそもうつ病は、
症状の範囲も広いですし、
 
その症状も他の科の
病気とも重なっていますよね。
 
一回の診察で、
判断してもらうことは、
難しいでしょう。
 
確かに、
うつ病の本を読むと、
 
名医が初診で
ズバっと病名を教えてくれて、
 
その後すぐに、
的確な指導や治療が
おこなわれる場面が
よく描かれています。
 
しかし。
 
現実には、
そんなことはあまりありません。
 
また、患者さんが、
自分で「うつ病なのでは…」と
見立てていて、
 
明らかに、
 
うつ病の診断書をもらいに来る人”
 
が多いのも確かなようです。
 
仕事を長期間休みたい、
だからうつ病と診断書に書いてくれと、
ハッキリ言う人もいるそうです。
 
だからこそ、
診断をせかすような質問をすると、
お医者さんも警戒してしまいます。
 
お医者さんの嫌な態度に、
接することになるかもしれません。
 
そうなれば、
あなたにとっての名医かどうか、
判断しづらくなるでしょう。
 
だから初診では、
 
「いったい何の病気なのでしょうか?」
「うつ病でしょうか?」
 
という質問は、
避けた方がいいでしょう。
 
診察が3回目をむかえて、
何も病名を口にしないようなら、
ハッキリ聴いてみるのがいいでしょう。
 
それでも、
初診の時に、
 
すでに苦しくて苦しくて、
職場に提出する診断書が
必要だと感じている場合には、
 
そのことを正直に、
伝えるのがいいと思います。
 
誠実なお医者さんなら、
 
抑うつ状態で2週間の静養が必要」
 
といった慎重な診断書を
書いてくれるはずです。
 
それでは次回は、
初診で質問しない方がいい、
3つ目のことをご紹介したいと思います。
 
 
<武田 涼 著>