毎回同じ話をする医者

うつ病の病院選び、医者選び

よい病院にかかりたい、名医にかかりたい、失敗したくない。そんな方のために、うつ病経験者が具体的に解りやすく、うつ病の病院選び、医者選びのポイントを解説。


11.毎回同じ話をする医者

~毎回同じ話をする医者~
 
今日も、
うつ病の病院選び、医者選びのポイント
についてご紹介していきますね。
 
精神科医、心療内科医にも、
さまざまなタイプの人がいます。
 
その診察の中で、
気をつけたいポイントがあります。
 
それは、
そのお医者さんが、
毎回同じ話ばかりしないか、
という点です。
 
もちろん、
 
よほど重要なことだから、
何度も伝えてくれているのかも
しれません。
 
また、
 
お医者さんも人間ですから、
以前話したことを、
忘れてしまったのかもしれません。
 
しかし、
 
一度聴けばわかること、
しかもそれを診察のたびに
くり返すようなら。
 
そのお医者さんは、
あなたの話をほとんど真剣に
聴いてくれていないのではないでしょうか。
 
私もこんな経験がありました。
 
引越しを機に、
転院したばかりのときです。
 
当時私は、
一日のうちに何度も
うつ状態を状態をくりかえす症状に
悩まされていました。
 
診察のとき。
 
今週は、
こんな感じで過ごしました、
こんな調子でした、
と私が説明すると、
 
そのお医者さんは、
 
「武田さん、それは
 ラピッドサイクラーだな。
 短い期間で躁とうつをくり返すの。
 とりあえず今のお薬を飲んで、
 様子見てみましょう」
 
と私に言いました。
 
そして診察を終えました。
 
次の診察の時、
その間の様子を
お医者さんに伝えると、
 
「武田さん、それは
 ラピッドサイクラーだな。
 短い期間で躁とうつをくり返すの。
 とりあえず今のお薬を飲んで、
 様子見てみましょう」
 
と私に言いました。
 
私は、
 
前回の診察のこと、
忘れちゃったのかな、
まあ、たまたまだろう、
 
と思い家路につきました。
 
そして3回目、
 
同じように、
自分の生活や調子を説明すると、
 
「武田さん、それは
 ラピッドサイクラーだな。
 短い期間で躁とうつをくり返すの。
 とりあえず今のお薬を飲んで、
 様子見てみましょう」
 
とそのお医者さん言いました。
 
まあ先生も忙しいのだろうと思い、
 
私は、
無理やり自分を納得させて、
家に帰りました。
 
4回目。
 
私の話を聴いた先生は、
しばらく、うーんと考え込みました。
 
お、今までとは違う反応。
 
これは、
何か別の言葉が出るのだろう、
 
と思いきや、
 
「武田さん、それは
 ラピッドサイクラーだな。
 短い期間で躁とうつをくり返すの。
 とりあえず今のお薬を飲んで、
 様子見てみましょう」
 
おいおい、嘘だろ。
 
しかも、
なんですかその、
はじめて聴いた話のような口ぶり。
 
この人、私の話、
まったく聴いていないんだな。
 
さすがに、
文句が出そうになりましたが、
 
今後、
通院しにくくなるのも嫌なので、
ひとまず我慢しました。
(ここが患者のツラいところですね)
 
次回、同じことがあったら、
そのときは考えようと思いました。
 
そしてついに5回目。
 
「武田さん、それは
 ラピッドサイクラーだな。
 短い期間で躁とうつをくり返すの。
 とりあえず今のお薬を飲んで、
 様子見てみましょう」
 
私は、その日で、
その病院に通うのを
やめました。
 
通院時間や
待ち時間も含めて、
 
自分の人生の
貴重な時間とお金を、
 
こんな人のために、
使うわけにはいかない、
 
そう思ったからです。
 
お医者さんとしての
レベルがどうのという
お話ではなく、
 
一対一の人間同士として、
この人に会う価値はないと
判断したのです。
 
医者と患者という関係以前に、
 
自分に対して
最低限の誠意も持たず
接してくる人と
会う理由がどこにあるのでしょうか?
 
そう思ったのです。
 
これを機に、
私は、医師全体に
不信感を持ってしまいました。
 
今思えば、
そこまで思いつめる必要は
なかったのですが、
 
なにせ、
うつ病でもっとも苦しい時期。
 
通院するだけでも
やっとのときでしたので、
腹立たしさも手伝って、
医師全体を信じられなくなりました。
 
医師のすべてが、
ここまでいい加減ではないので、
 
今回のような
お医者さんの存在は、
 
他の医師からすれば、
本当にいい迷惑なのでしょう。
 
実は、この件だけで、
通院しないことを決めたわけではなく、
 
そのお医者さんは、
こちらに何も質問もしないし、
 
こちらがしても、
まあまあという感じで、
まともに答えたことがありません。
 
そのクリニックの受付さんが、
予約の日付けを間違えたことも…。
 
責任者であるお医者さんの姿勢が、
ところどころに“にじみ出て”しまっていたのです。
 
お医者さんが、
同じ話を毎回する場合は、
いい加減な診察、運営をしている
バロメーターの一つになるでしょう。
 
精神科、心療内科に通う中で、
このようなことが増えてきたら、
 
そのまま通院するのか、
患者さんの判断しどころかもしれませんね。
 
次回も引き続き、
うつ病の病院選び、
医者選びのポイントについて、
ご紹介していきます。
 
 
<武田 涼 著>