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アダルトチルドレンの克服

勝ち組なのに苦しいのはなぜ ~毒親とアダルトチルドレンからの脱出~

<著者:KYO>

6.アダルトチルドレンの克服

 

│アダルトチルドレンを知る

 
毒になる母親(著)キャリル・マクブライト 訳)江口泰子)を読んで、私の両親が毒親で、私はアダルトチルドレンだと気付いたものの、本当にそうなのかと、疑心暗鬼でもありました。
 
先ず、アダルトチルドレンとは何かを詳しく知らなくてはと、ネットで情報を集め始めました。
 
一括りでアダルトチルドレンと言っても、心の問題で、個人差が大きく、多くの情報から、私なりの判断をしなければならないだろうと、とても肩に力が入っていたのを覚えています。
 
ところが、一つ二つのサイトに目を通しただけで「私を知ってる人が、書いてるの?」と、気味が悪くなる程、私の心と言動を、見透かされているような内容ばかりでした。
 
他人の評価を気にしながら行動をしてしまう事、相手の気持ちばかりを汲んで話をしてしまう事、それなのに親しい人間関係になることが難しい事など、私は、アダルトチルドレンのほぼ全ての特徴に該当していました。
 
誰にも気付かれないように、必死で隠していた自分を、まるで、大衆の面前で丸裸にされたような、とても恥ずかしく、心細い気持ちでした。
 
その一方で、私一人だけが苦しいと思っていた生きづらさは、アダルトチルドレンが原因だったと分かり、底知れない安堵感にもなりました。
 
今までの生きづらさに、原因があったと分かった事は、私の人生で、何よりの救いだったと言っても過言ではありませんでした。
 
 

│毒親を知る

 
アダルトチルドレンについて調べていくと、その原因に、毒親の存在がある事が分かってきました。
 
両親が毒親であると認める事は、自分がアダルトチルドレンと知ることよりも、大変な心の葛藤がありました。
 
私が子供の頃、母は、私の些細な失敗や、テストの点数に納得がいかないと、泣き叫びながら謝る私を、部屋の隅まで追い詰めて、腕や足にみみず腫れが出来るほど叩き続けていました。
 
学校へ持っていくものなどを、母に伝えなければならない時、機嫌の良い時にしか返事をしてもらえず、度々私は忘れ物をするしかありませんでした。
 
それでも、勉強や、いくつもの習い事には、お金に糸目を付けずに育てられ、進学し、就職してきた私は、自分がアダルトチルドレンと知るまでは、教育熱心な厳しい母だと思い込んでいたのです。
 
ただ、泣いて謝っている我が子を、あれほど毎日叩き続けられるものなのかと、アダルトチルドレンを知る以前も、心の片隅で、ずっと納得できない気持ちで生きてきた気もします。
 
そして、毒親を知るにあたって、何よりもショックだったのは、私をかばってくれる優しいと思っていた父も、毒親だったという事です。
 
毎晩母は、机を挟んで私の勉強を見ていましたが、私は目の前の母が怖くて、勉強など頭に入らず、頬を思い切り叩かれ泣いているのですが、ようやくその頃に、父が帰宅するのです。
 
父は、泣きはらした私を見て「もう、お母さん良いだろう」と、母を諭してくれて、私はやっとその場を離れることが出来たのです。
 
しかし、父は、自分が帰宅するまで、娘が毎日叩かれ続け、逃げ場もなく怯えていることを知っていたのです。
 
仕事で帰宅が遅くなる父は、娘の教育に口を挟まないでくれと、母からきつく言われると、子供の苦しみよりも、母の小言を聞きたくない自分の気持ちを優先していたのです。
 
仕事で疲れて帰宅して、父も仕方がなかったとは、もう、思えなくなっていました。
 
これは、母が毒親と知ることよりも、とても深く私の心を傷つける事になりました。
 
そして、アダルトチルドレンを克服する苦しみが始まっていきました。
 
<著者:KYO>