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アダルトチルドレンの克服2

勝ち組なのに苦しいのはなぜ ~毒親とアダルトチルドレンからの脱出~

<著者:KYO>

7.アダルトチルドレンの克服2

 

│アダルトチルドレンの克服方法を探る

 
アダルトチルドレンの克服のために、何を、どうすればいいのかを、ネットで調べ始めました。
 
イメージ的には、カウンセリングを受けて、色々と教えてもらうのだろうな、と思っていましたが、アダルトチルドレンを克服するまでに、どのような心の経過があり、克服とはどのような状態をいうのかを知っておきたかったのです。
 
アダルトチルドレンに関連のあるサイトを、いくつか読んでみましたが、具体的にどのようにして克服していくのかは、この段階では分かりませんでした。
 
アダルトチルドレンだった私は、カウンセラーが問題提起だけをネットにあげて、カウンセリングに勧誘しているだけに思えて、憤りに近い気持ちになっていました。
 
そして、個人のカウンセリングという、ビジネス色が強い克服方法ではなく、根本的に心の勉強をしようと、思い立ったのです。
 
具体的には、放送大学の心理学関係の単位をいくつか申し込み、勉強を始めました。
 
最初に理論で心理学を学んだことは、私の場合は、アダルトチルドレンの克服のスタートに合っていたようです。
 
児童心理学を学んでいるあたりから、これ、私に当てはまるな、と思えることが多く出てきました。
 
しかし、ここでも、私は、アダルトチルドレンの具体的な克服方法を、見つけ出すことが出来ませんでした。
 
この段階で、心理学の勉強で単位を取ることよりも、先ずは、なんとしても、アダルトチルドレンの克服方法を見つけたいと強く思い直して、再びネットで情報を探す日々が始まりました。
 
 

│変わる決意

 
ある日、あるカウンセラーが販売しているテキストに、目が留まりました。
 
ダウンロード形式の、決してお安くないテキストで、今までだったら、怪しいとしか思えずに、購入はしていないと思えるものでした。
 
そのカウンセラーのブログを一通り読んでみて、悪質なビジネスをしているようには、あまり思えずに、思い切って購入のボタンを押しました。
 
販売されているテキストなので、こちらに内容を記載することは避けたいと思いますが、結果として、私にはとても合っていたテキストでした。
 
なぜ、アダルトチルドレンの思考になってしまったのか、健康なメンタルとはどういうものなのか、そして、克服するにはどのような取り組みが必要なのかが、具体的に書かれていました。
 
しかし、当時の私には、全く理解不可能な内容の書き出しから始まっているものでした。
 
例えば「アダルトチルドレンは感情が分からない」と、あると「人間だから感情はあるでしょ?何を言ってるの?」と、強い反発を覚えましたが、どうにか克服方法まで読み進めることが出来ました。
 
なんとかこの分厚いテキストから、アダルトチルドレンの克服のヒントの欠片だけでも、手に入れられたらと思っていたのです。
 
そして、騙されたと思って、私が具体的に最初に試したことは、自宅マンションのエレベーターに乗る際に、先に乗っていた人や、途中で乗り込んできた人に、一切挨拶をしない事でした。
 
世間体を過剰に気にしている日常の言動を、まず真逆で試してみようと、テキストからヒントを得て、身近な環境の中で試してみたのです。
 
エレベーターを降りた時に「他人の顔色を伺って挨拶をしなくても、何も起こらなかった」という、今までに経験したことのない、まるで世界が逆転したかのような新鮮で、安心した暖かい気持ちになりました。
 
アダルトチルドレンを克服できた現在では、この様な場面では「私が、にこやかに挨拶をしたいからする」という当然の感覚です。
 
今振り返ると、アダルトチルドレンの克服の為に「自宅の近所の方に、嫌われるかもしれない」という、当時の私には最大の恐怖を、最初に試みたことに驚きます。
 
それ程アダルトチルドレンとしての人生が、苦しかったのだと思います。
 
その後、テキストを購入したカウンセラーのカウンセリングを受けてみましたが、クライアントの話に耳を傾けることに重きを置かれているようで、残念ながら私には合いませんでした。
 
しかし、このテキストは、購入後の約一年間で、私に健康なメンタルの感覚を大まかに理解させてくれるものでした。
 
そして、次の一年間で、親に対しての強い怒り、悲しみになどの、多くの苦しい感情にぶつかり、解決していくのでした。
 
<著者:KYO>