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生きづらさと勝ち組からの卒業

勝ち組なのに苦しいのはなぜ ~毒親とアダルトチルドレンからの脱出~

<著者:KYO>

8.生きづらさと勝ち組からの卒業

 

│愛されていなかったと認めること

 
アダルトチルドレンの克服の過程で、大きなカギとなり、何よりも私を苦しめたのが「両親から愛されていなかった」という事実を認める作業でした。
 
教育としつけという名の元に、虐待をし続けた母を、私への愛情からの厳しさだったと、そして、それを目にした時にだけ、止めに入ってくれた父を、暖かい優しさを持った人だったと、そんな両親への思い込みをどうしても拭い去れなかったのです。
 
ただ、アダルトチルドレンの克服にあたって、ここを認めることが、私にとっては最も重要であるだろうと分かっていました。
 
そこで、なぜ両親に愛されていなかったと認めることが、これほどに難しいのかを、調べることにしました。
 
アダルトチルドレンを対象にしているカウンセラー、アダルトチルドレンの克服に向き合っている方々のサイト等から「人間が産まれて、生きていくためには、水と愛を与えられなければ死んでしまう」という、自分なりに納得できる答えを導くことが出来ました。
 
愛されていなかったと認めることは、生きていられないほど辛く、苦しくて当然なのだと分かり、その後のアダルトチルドレンの克服の作業を大きく支えてくれました。
 
しかし、両親に愛されなかったという事実を、頭で理解できても、心に認めさせることは、とても難しいことでした。
 
愛さなければ生きていけない幼い我が子に、それを与えなかった両親に対して、今までに感じたことのない凄まじい怒りと、悲しみに襲われる日々が続きました。
 
大きな怒りは抑えることが難しく「私の人生を帰して!」と大声で泣き叫びながら、高速道路を行先もなく走り続けました。
 
そして、何気ない日常のなかでも、急に耐え難い悲しみに襲われて、涙が溢れだしていました。
 
今振り返っても、アダルトチルドレンの克服にあたって、一番苦しい時間だったと思います。
 
気が狂うのではないかと思う程の両親への怒りと、許せない感情に苦しみ、そして、深い悲しみにも襲われて、やっと今「愛されなかった」という事実だけを、静かに受け止められるようになりました。
 

│生きづらさと勝ち組からの卒業

 
アダルトチルドレンを少しずつ克服していき、健全なメンタルになってくると「自分で自分の人生を生きている」という、初めての感覚を手にすることが出来ました。
 
アダルトチルドレンを克服しても、人生の困難がなくなり、キラキラした生活が待っていたわけではありませんでした。
 
ただ、誰かと比較する人生でなく、ましてや、漠然とした勝ち組のイメージで生きる必要など全くなく、自分の人生を自分で選択し、心地よい責任感を持つことで、見えない恐怖に支配されず、安心して人生を送るということが出来ました。
 
両親が描いていた、幻の勝ち組の人生と、今までの生きづらさを卒業して、やっと自分の人生を歩きだしたところです。
 
アダルトチルドレンを克服するにあたって、カウンセラーの方々、そして、アダルトチルドレンに向き合っている多くの方のサイトやブログに支えられました。
 
このコラムが、ほんの少しでもどなたかのお役に立てることを祈ってやみません。
 
有難うございました。
 
<著者:KYO>