金曜日のうつ - 週末うつの具体的な対処法

週末うつの具体的な対処法

週末になると憂鬱になる。体を動かすこともできず一日中寝て過ごす。そんな週末うつに悩める人のために、金曜日、土曜日、日曜日と、曜日ごとの具体的な週末うつ対策をご紹介。


金曜日のうつへの対処法

~金曜日のうつへの対処法~
 
今回は、週末うつの中の、
「金曜日のうつ」について、
その具体的な対処法を
あなたにご紹介していきます。
 
通常、週末うつというと、
土日のうつのことを指すことが
多いと思います。
 
しかし、最近では、
金曜日にすでにうつが
始まってしまうタイプの
週末うつの方が増えているのです。
 
金曜日も午後をまわるころ、
 
オフィスの中の一部の人たちから、
まったりとした雰囲気が漂ってきます。
 
もうすでに、
「土日モード」に入っている人たちです。
 
それとは別に、
何とか今日中に仕事を終わらせようと、
 
いつもにも増してバタバタと
せわしない雰囲気の人たちも出てきます。
 
こちらは、
「駆け込み終了モード」に
入っている人たちです。
 
これらが合わさった、
何とも言えない
「週末の雰囲気」が出てくると、
何となく憂鬱になってくる、
虚しくなってうる、
体が重くなり、動悸や冷や汗が出てくる。
 
こんな方が多いようです。
 
なぜこのような
症状が出てくるのでしょうか。
 
たとえば、
 
「楽しもう楽しもうとする
 周囲のギラギラした雰囲気に
 ついていけないから」
 
「行きたくないのに、
 飲みに誘われたら断れないから」
 
「逆にいつも自分だけ誘われず、
 さみしい金曜の夜を過ごすから」
 
このような金曜日ならではの、
直接的な原因もあるでしょう。
 
しかし、一番の原因は、
 
「すでに長く週末うつになっており
 周囲の雰囲気によって
 土日のつらさを思い出してしまうから」
 
というものが、
多いのではないでしょうか。
 
金曜日が苦手というよりは、
土日のうつがつらく、
それに対する不安が出てしまうのですね。
 
これは当然、
土日のうつを改善させれば、
自然に金曜のうつも
改善されるわけですが、
 
それとは別に、
もうひとつ肝心な具体的対処法を
ご紹介したいと思います。
 
それは、
 
あなたが、
『金曜日のうつ』という
症状をもっているということを
知っている人を社内に最低二人はつくる、
 
という対処法です。
 
週末うつの人は、
基本的には平日は
何とかもちこたえられるので、
 
自分の週末うつについて、
社内の誰にも話していない人が
とても多いのです。
 
そのため、金曜日のつらい状態が、
自分だけの秘密になってしまいがちです。
 
そこには、
「自分だけが苦しい」という、
孤立感や、孤独感が生まれ、
 
「バレたらまずい」
「隠さなければ」という、
焦りも加わってきてしまいます。
 
もともと、うつという症状自体が、
そのような状況におちいりがちです。
 
その上さらに、
金曜日のうつの場合、
周囲は休日前の浮かれ気分。
 
自分の苦しい気持ちとのギャップで、
さらに孤独感を感じることになり、
 
そんな浮かれている人たちに
「とても打ち明けられない」
「なんとか隠さなくては」
「バレるわけにはいかない」
という焦りもさらに強くなっていき、
 
どんどんと心に
負担がかかってしまうのです。
 
だから、同じ社内に、
自分が「金曜日のうつ」であることを
知ってもらっておくのです。
 
一人だと、
その人が必ず近くにいてくれるとは
限りません。
 
あまり多すぎると、
心ないうわさを流す人もいます。
 
理想としては二人です。
 
そのようなことを話せる
同僚や先輩、後輩、上司が
いれば幸いですが、
 
信頼できる人が
そばにいなければ、
普段あまりかかわりのない
総務など福利厚生担当の人でもかまいません。
 
社内にカウンセラーを置いているような
企業はほとんどありません。
 
しかし、企業全体に、
メンタルヘルスケアの
レベルをあげるように
国からも具体的な指示が出ています。
 
総務の人であれば、
そのような時の対応を、
少なからず学ぶ機会を与えられています。
 
つらい金曜日に、
周囲から週末の雰囲気が出ても、
飲みに誘われても、
 
そこで自分のつらい気持ちを
目配せできるような相手が
いるかいないかだけで、
まったく心への負担が変わってきます。
 
そばにその人がいなくても、
「ちょっと今つらくて」と、
いざとなったら
話せる相手がいるというだけで、
(実際には話せなくても)
気分に大きく影響してきます。
 
私たち人間は、
「自分の苦しみを自分しか知らない」
という状況にとても弱い生き物です。
 
だから、
例え週末だけのうつであっても、
社内にその苦しみを
知ってくれている人をつくること。
 
親身に相談にのってくれなくてもいい、
ただその苦しみを知ってくれている人をつくること。
 
まずはその対策をとってみることが、
とても大切になるでしょう。
 
次回は、
『土曜日のうつ』への具体策を
ご紹介します。
 
 
<局長 信夫克紀 著>