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三度目のうつ病

私がうつ病を克服した経験

私が、いかにしてうつ病を自分で克服したのか。 自らのうつ病克服方法を語る、体験記です。


6.三度目のうつ病

~私がうつ病を克服した経験~
 

三度目のうつ病は、突然きました。

私は以前にも増して、
熱心に仕事をするようになっていました。

カウンセリングで
自分を見つめることで、
だいぶ自分の本心がわかってきていました。

だからもう無理をすることはない。

そう過信していたのだと思います。

そんなある日、上司と
打ち合わせをしていた時のこと。

私の提案に対して上司が、
 
「まあ、いつもその程度の提案してくるけど」
 
と言いました。

なぜか、その一言が
グサッと胸に刺さったのです。

落ち込むとか
怒るとかではなく、
血の気が引く感じでした。

自分の今までの仕事が
実は評価されていなくて、
自分の思い上がりを
指摘されてしまったような
感覚がしたのかもしれません。

自分でも理解できないほどの
ショックを受けてしまい、
その瞬間からズルズルと
またうつ病の症状が出始めたのです。

とにかく、何とか
もとに調子に戻さねばと焦りました。

カウンセリングにも、
真剣に通いました。

でも日増しに恐怖心が強くなりました。

二度の経験上、
ここまでくるとそう簡単にもとには
戻せないことは自覚せざるを得ませんでした。

数ヵ月後、上司から
契約の更新がされない旨を聞き、
私は退職をしました。

そして、三度目のうつ病による
療養生活に入ったのです。

失業給付の期間中に、
何とかしなければ。

そう考えると焦るばかりでした。

今回は、精神科には
いきませんでした。

もっと生活習慣全体や
生き方全般から変えなければ、
うつ病からは逃れられないという
実感があったのです。

心理カウンセリングは、
続けることにしました。

ただこちらも、
最後の鍵が開けられずに、
行き詰っていました。

毎日、死ぬことばかり
考えるようになりました。

家中の薬を机の上に広げたり
ドアノブにタオルを巻きつけて
それを眺めるような日が続きました。

そんな時、あるきっかけが、
この苦しみの日々から
私を救い出す手がかりをくれたのです。

 
  
<高木慶子 著>