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情けない気分になった時には?

うつをやり過ごす50の方法

うつ病歴10年以上の人が書いた、ツラいうつをやり過ごすリアルな知恵


40.情けない気分になった時には?

~情けない気分になった時には?~
 
うつ発作にみまわれて、
家事が手につかない。

掃除もできず、
洗濯もできず、
洗い物もできず、
ただただ頭を抱えて横になるばかり。

「こんな程度のことすらできないなんて・・・」

情けない思いで一杯になる。

そして何とか立ち上がり、
フラフラになりながら
家事に手をつける。

多くの時間と労力をかけて、
ようやく一つの作業を終える。

「こんな程度のことしか、
 できなくなってしまった・・・。」

情けない思いは、
どんどんと心の中に広がっていく。

ちょっと待ってください。

あなたが情けなく感じる必要は、
まったくありません。

これは慰めでも何でもありません。

ましてや、

「例えこんな程度のことでも、
 今できることを精一杯やったのだから、
 いいじゃないですか。」

と励ますつもりもありません。

逆に、あなたをとても強い人だと、

『尊敬』

したいと思います。
 
家事はそもそも、
とても知恵と労力を使う作業です。

確かに健康な時、
その家事がスイスイできていた頃も
あったでしょう。

でもその頃の家事と、
うつ発作でやる家事は同じ作業でしょうか?

まったく違いますよね。

例え同じ家事でも、
今のあなたにとっては、
とてつもなく大きな作業です。

ものすごく大変な作業です。

無事に終えられるかどうかもわからない
危険をともなう作業とも言えるでしょう。

そんなとてつもなく大きく、大変で、
危険をともなう作業に取り組むことを
人は、

『挑戦』

と呼びます。

うつ発作を抱えるあなたにとって
家事とは、まさに

『挑戦』

といえるのではないでしょうか。

決して「こんな程度のこと」
なんかではないのです。

あなたは家事に『挑戦』しているのです。

そして、その家事という『挑戦』を
達成することができたならば。

それは
とても大きな『偉業』であるのだ、
ということにぜひ気づいてください。

あなたは決して
「こんな程度のこと」しかできない
情けない人間ではありません。

あなたは、とてつもない『偉業』に
日々『挑戦』しているのですから。

これからは、
家事を終えることができたら、
その『偉業』と『挑戦』に誇りを持ってください。

ただ、
あなたの『偉業』や『挑戦』は、
周囲の人に評価してもらえることは
あまりないかもしれません。

だから自分で自分に
こうつぶやいてみてください。

『私の人生は挑戦的』。

情けない気分になる必要なんて
ひとつもないことに気づける、
とっておきのオマジナイです。
 
<うつをやり過ごす50の方法>
 その40
『私も人生は挑戦的
 


◆実践のコツ
症状がつらければつらいほど『挑戦』の難度があがります。
冒険者になったつもりで、果敢に家事という『偉業』に取り組みましょう。

◆使えるシチュエーション
情けない気分になった時 / 家事がなかなかはかどらない時 / 自分を責めてしまう時 など

◆適用しやすいうつパターン
怒り / 疲労 /恐怖 / 悲しみ / 虚しさ / 憂鬱 /
 
 
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>